葬儀の際には実際にそれが終わるまでの間、さまざまなところで費用が発生することになります。会場を用意するため、手紙を送るため、香典返しを用意するためなどその費用の目的は基本的に明らかにされているのですが、その中で時折理解しがたいものとなるのが「戒名料」の存在です。これは特に仏教式の葬儀において請求されることになるのですが、これは仏教について全く知らないというような人だとイメージしづらいこととなるでしょう。ではこれは何なのかというと、本来の意味においては「仏教を信仰する道に進んだことを示すための名前」ということになります。

出家して修行を始めることを志し、仏が定める戒律を守ることを誓った際に与えられる名前であるということこそが本来の戒名の役割です。ただしかし現代の葬儀においてはこうした意味は殆どなく、事実上「人が成仏したのちの名前」というような形で運用されているとみて良いでしょう。宗派にもよりますが、一般的に戒名料というのは「死後の世界の名前をお坊さんからもらうための手数料」と考えて差し支えないわけです。ただしかしこの戒名料という存在自体に疑問を持つ人は少なくありません。

儀式の一つとして支払うようなものに何十万円も支払うことは納得しがたいことの方が多いでしょうし、加えて現代日本ではここで支払う金額によって位号が変化するというようなあり方になってしまっています。現在では大手スーパーマーケットチェーンの葬儀業界進出などでかなり価格競争が起きるようになっているのですが、この戒名料についてはしっかり理解したうえで葬儀の在り方を考えたいところです。

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